群馬県前橋市 House S  - 凹と凸 -

埼玉県鴻巣市の家


群馬県前橋市 House S
凹と凸


敷地は、狭い道路が残る住宅が密集する角地で、敷地南側には隣地の大きな畑が広がる。その反面、東側は隣家が迫り、道路を挟んで西側に位置するダンススタジオには、レッスン時間になると道路沿いの駐車場に10台以上の車が一斉に駐車する環境だった。

そこで東西との距離を取るために、東西側全面を収納とし、それに挟まれた中央部分に家族の空間を設けることにした。家族室は南北通風が確保しやすいように一室空間とし、外部からプライバシーを確保しつつ開放的な空間にするような床レベルを設定した。光や景色の採り入れ方や距離感も慎重に検討しつつ、また床同士を繋ぐためにハシゴ、階段、スロープを用意した。これらは水平・垂直移動、斜めの移動という運動を導き、一体的な空間に多様な体験を生み出す。家族室の床は、温熱環境や明るさを考えて、カーペットとタイルを選定した。陽だまりやひんやり感、柔らかさや堅さなど肌で感じ、体験や行為、留まる場所を自由に選べる。短辺方向の耐力壁は収納内に設け、量の多い洋服と布団のサイズから壁量を考慮した。そこにPCルームやトイレなどの用途も配置し、空間的な厚みももたせている。 個室やキッチンは、全面収納により固有のものがほとんど現れない ため、外部に開き、BBQのためのテラスを補完した。そして日常的にも、洗濯などの家事作業や畑仕事の休憩の場となり、テラスと一体利用される開かれた場となっている。

近年の住宅では家族室を外部へ開き、個室を閉じる傾向が強いが、ここではその関係を反転させている。家族室は社会との距離を取り、情報を制御したことで、一緒に過ごす者はより親密感を抱く。また、テラスと連動する個室を社会に開いたことで、近所を散歩する人や隣で畑仕事する人との関わりも増え、古くからのコミュニティに馴染みつつあるようだ。

社会を通して家族を考えた時、人が家族といる状態はパブリックというより、あまり見られたくない気を抜いている状態ともいえる。逆に個室はプライバシーが一時的に高くなることもあるが、簡易的なシャットアウトで補え、アイデンティティが弱められた個室はパブリック的である。これはこの家族の関係から生まれた特別なものというより、個室を開くということは、家族間、そして地域との繋がりをより強める一般解になり得るのではと考えている。


所在地:群馬県前橋市
用途:注文住宅


雑誌掲載歴
新建築 住宅特集 2014年6月号
住まいの設計 3・4 2015


テレビ放送歴
「スッキリ!! ハウジング」日本テレビ
「住人十色」毎日放送


受賞歴
グッドデザイン賞 2014 <受賞>  < Link to GOOD DESIGN AWARD >
ファンタスティックオーダーキッチングランプリ2013 <リネアタラーラ賞>



Boko & Deko

This house is located on a corner lot in a densely populated area. The neighboring house stands closely on the east side, and there is a studio on the west side. Therefore, soundproof walls--which also serve as load bearing walls and storage--are built on the east and west sides, while living spaces are arranged in between. In order to ensure privacy and to create an open atmosphere, multiple floor levels are constructed. In addition, the way of introducing light and outside scenery, as well as the distance to the outside, are adjusted. A ladder, stairs, and slope connect each floor. Through horizontal, vertical, and diagonal movement, various experiences are created in an open-plan space. The floors are made with materials of which residents can feel the warmth, coolness, softness, and hardness on their skin.

From a fragment of the clients' conversation, their desire for spaces that match their feelings was detected: spaces that are not predetermined by furniture, but spaces that can be more freely chosen. It resembles the sense for finding one's own comfortable spot in a wooded yard. It is like the experience of sitting under a tree to avoid the sun on a hot day, or of looking for a sunny spot for some warmth on a cold day.

One's comfort changes depending on the season and time of day. The residents will find their own spots according to their feelings, for instance reading in a sunny spot on a soft floor, or lying on a cool floor to experience a nice breeze. In such a way, this house and its residents approach each other.


埼玉県鴻巣市の家

埼玉県鴻巣市の家

埼玉県鴻巣市の家